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今年の梅仕事

青梅と北海道の甜菜糖で梅シロップを漬けました。

以前は梅を採りにいくところからやっていましたが、
自分の医院を持つようになってからは漬けるところから。


梅のヘタを取るために使用するのは
エバンスという歯科用彫刻刀。
このゴールドのエバンス刀は歯科大学の卒業記念です。

歯科現場で使うものは歯科材料屋さんで購入したもの。
こちらは専ら調理用にしています。
食材に少し切り込みを入れたりするのにも
大変重宝しています。

結婚や産後に先のキャリアが見えていなかったときも
主婦やママ業に専念していたときも
このエバンス刀を見るたびに、
たとえそのまま歯科医師の仕事に戻らなかったとしても、
それまで学んできたことや
培ってきた学問や技術は褪せることなく自分のものだと
この小さな卒業記念の一本から感じとってきました。

どのような道を選んだとしても、
食べていくことには変わらない。
そう思ったときに、
調理のために使うと決めました。


青梅は、一晩冷凍し繊維を壊してエキスが出やすいように下準備をします。

先日、介護職の集いに参加したとき、
調理師の方がほうれん草は冷凍してから調理すると繊維が壊れて咀嚼と嚥下がしやすくなる。(噛んで飲み込みやすくなる。)とおっしゃっていたことを思い出し、
通ずるものがあるな、と感じました。

また少し前には、区内の美術館に彫刻漆器の展覧会に見学に伺った際に作家さんと彫刻の手順や彫刻刀のお話をさせていただきました。

まさに歯科医師である私たちもエバンス刀を使い歯形彫刻を勉強してきたので、
分野の違いからみる相違点や共通点なども含めて、
伝統工芸としての文化の中に育まれた技術や材料など、
ご説明をしていただく中で楽しく学ぶ機会がありました。


仕事やプライベートでの様々な人やモノとの出会いが、
どこかで何かにつながって、
毎日の診療や日々の暮らしを彩り豊かにしてくれる。

毎年同じ作業をしているのに、
毎年思うことも感じることも違うという不思議を、
今年も楽しむことができました。