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試写会にいきました

当院が賛同している”女の子支援”の国際NGO法人さまから、映画の試写会&作家・角田光代さんのトークショーに招待していただきました。

10月4日公開
インド映画”花嫁はどこへ?”

舞台は2001年のインド。

深くベールを被った2人の新婚の花嫁は
それぞれ嫁ぎ先へ向かう列車のなかで
予期せず入れ違います。

女の子の強さと優しさが
映像いっぱいに溢れる作品でした。

まず、冒頭から

これは架空のお話であり(フィクションであり)
誰かを傷付ける意図はありません。

と始まります。
ですから、
その心つもりで鑑賞しました。

新婚だった10代の若い女の子の
それぞれの選択を、
どちらを肯定することも否定することもなく
どちらも希望に満ちたエンディングで締めていたところが
すばらしかったです。


2001年は私が17歳になった歳。
この主人公の女の子たちと同世代です。

もし、
このお話に続きがあって
2024年に同じように
40歳前後になっているとしたら。

若かったあの頃は
心も身体も未熟で
生きてきた時間も短くて
見えた世界が全てのように思えていました。

私は17歳の誕生日をオーストラリアで迎えました。
“8月”の、雪のちらつく寒い日でした。
今は夏休みで自分は夏生まれだと思っていたけれど
そうかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。
自らの身を置く場所を変えれば
誕生日の季節だって変えられるんだ。
と感じたことを思い出します。
見えるものだけが全てではない。
世界と地球は広いんだ、と。

結婚を選んでも
進学を選んでも
先に何を選んだかの違いであって、
一生のあいだに
結婚も出産も学問も仕事も
楽しみも苦しみも喜びも悲しみも
受容や愛情も
怒りや反発の感情も
全て知り、手にする権利があると思っています。

物語の続きをみることができたとしたら
この女の子たちは、
あのとき10代だった女の子たちは、
初めに選んだ選択の次には
何を選んで何を経験して
どんな大人になっているのか。

そんなことを想像せずにはいられません。

そして、反対に
恵まれた環境にいるとされている若者は
時にうまくいかないことがゆるされないことがあります。
愛情と物質を注いでくれた大人たちのために
自分は幸せにならなくてはいけない。
成功しなくてはならない、というふうに。

ひとには皆、
幸せになる。成功する権利があるのと同じように、
辛さを知る。失敗する権利もあると思います。

失敗していい、とは
誰かを傷つけていい、迷惑をかけていい、という
意味ではありません。

失敗する権利は、挑戦する権利です。
挑戦しなければ、失敗もありませんから。

私がいつ、何をして、どこにいて
誰といて、どのようにするか。
どうして、そうしたいのか。
私のことは、私が決めます。
たった一度の人生なので。

意思の尊重を、分かち合える人と出会っていくこと。
それがこの上ない喜びです。

手を差し伸べてもらってきたように、
手を差し伸べる人生を歩みたい。
と思っています。
一生かかることを覚悟して。