ブログ

訪問歯科診療でのできごと

訪問歯科診療でのできごと

先日、ある患者さまの居宅に訪問したときのこと。

この冬に緊急で初めて伺ったときからこれまで
一度もすすんで着けようとしなかった入れ歯を、
なんと自ら装着し
ちょこんと座っていらっしゃったのです。

おうちに着いたとき、
いつもの定位置に入れ歯がなかったので
もしや、なくしてしまった、、?
と反射的に思ってしまいました。

入れ歯、ありますか?
と尋ねると
うん、今してるの。
とお答えに。

あまりの驚きと嬉しさで
大げさなほど喜んでいると
なんで先生がそんなに嬉しそうなのよ〜
とあきれたように笑ってくださいました。

その方の初めての訪問は真冬の夕過ぎで
住宅事情から真っ暗な部屋で、
ケアマネジャーさんが明かりを照らしてくださるなか
痛みを訴える患者さまの診察をしました。

お1人でお住まいのため、応援が必要と判断し相談すると
訪問看護の皆さまが口腔ケアにお力を添えてくださいました。
驚くほどに順調に口腔内状況が改善し、
入れ歯への再挑戦にも尽力してくださいました。
あとはご本人の気持ち次第なのかな、と
情報共有していた矢先の突然の嬉しい変化となりました。

口腔連携の必要性と
確かな効果を深く実感する一連の診療でした。

次の訪問時には
再度入れ歯を拒否しているかもしれないし
なくしてしまっているかもしれないし
こわしてしまっているかもしれません。
どの可能性も前提でかかりつけ歯科として診つづけ、
連携する各職種皆で力をあわせて
健やかな暮らしのサポートをしていきたいです。

各職種の皆さま、いつも本当にありがとうございます。
ご利用者さまの歯と口の健康のために、当院の訪問歯科を選んでくださったことに心から感謝しております。


2024年から歯科との口腔連携強化を取り組む各事業者さまに評価のある制度ができました。
介護職医療職の方に、ケアプランに歯科を加える利点や歯科との連携による診療上の効果などを知っていただけるような、歯科診療と情報共有をしていきたいと思っています。


たくさんの方との関わり合いと多くの皆さまからの支えにより成り立っている当院の診療スタイル。
外来から訪問診療
発育期から老齢期
マタニティから終末期
福祉・介護から美容分野
命のはじまりから最期のときまで
歯科に関するさまざまなことを身近に相談できる、プライマリ・ケアを担うかかりつけ医として当院をご活用ください。