陶材(セラミック)のかぶせもの・つめものです。当院の依頼している歯科技工所様は、セラミックの歯を宝石箱のようなケースにいれ、ジュエリーのように納品してくださいます。(写真はサンプルです。特定の患者さまの技工物ではありません)

セラミック治療において、
私には、症例”数”で誇れる実績はありません。

新卒の頃から中堅になった今に至るまで、常に神経を守る治療・最小限の削る量での治癒をめざして診療してきました。

若手の頃は、
必死に丁寧な治療を心がけ、歯の神経を残す治療をしてきました。
経験が浅いながらも、患者さまからは喜んでいただくことが多く、安堵を覚えていました。

しかし削る量が多くなければ、
型取りが必要なセラミック治療は選択肢になりませんから、
歯科医師として”症例数”は増えません。

勤務医の頃は、
周囲に比べ明らかに
神経治療に至る症例が少ないので、
様々な面で葛藤をしながら
診療をしていました。

最小限の治療を心がけていたとしても、
歯科医師として、
本当にその治療が必要な方には、
必要なときに、必要な分だけ、
安心して治療を受けていただくための
技術と経験を積まなくてはいけない。

そのことは自覚していましたから、
ジレンマに苦しいときもありました。

葛藤の中、長い年月がかかりました。

今は、
相変わらず”数”での実績は誇れないけれど、充分な程にはなり、
喜んでくださった方のお声を集めたら、少しは自信をもっていいのかな、
と思うようにしています。
そうでなければ、当院を選び、治療を受けてくださった患者さまに失礼になってしまいますから。

当院では、クイック治療は行なっていません。

治療回数がかかりますので、患者さまには少しの間ご辛抱をおかけします。

虫歯の再発や歯周病による予後不良を避けるための確実な前処置を行い、仮歯を入れ、噛み合わせを確認し、
患者様のご意見ご要望を聞き、
お一人おひとりの症状、歯質、習慣、ライフスタイル、お顔とのバランスを加味して、
歯を製作してくれる技工士様との詳しいお打ち合わせを行い、

これで整った。
というタイミングでセットします。

先日、セットした後に
「何も付けてないみたい。快適。これからは自分の歯を大切にするね。」
とおっしゃってくださった患者さまがいらっしゃいました。

患者さまの治療とケアに対する意識と、
技工士さまの技術と知識の
賜物です。
感謝と共に、
しっかり予後を拝見していけたらと思いました。

笑った時に見える歯の金属を、
気になっている方がいましたら
ご相談くださいね。

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