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口腔機能と歯列・咬み合わせ

継続的に種々の小児矯正(咬合誘導及び筋機能療法)の講習会に参加しています。

口育ては、
正しい舌・唇・頬の位置と機能を保ち
咀嚼・嚥下・構音・呼吸の4技能を正常に獲得し
歯列及び顔面の健やかな機能と形態を育むことです。

奥が深い分野ですから、飽きることなく
診療と並行して学びを深めています。


先日、地域における”介護系多職種の女性の会”に参加したときに、
歯科分野のメンバーで、
介護予防の要は、遡りに遡って混合歯列期!
という話で大いに盛り上がりました。

健やかな老後の準備は
幼少期にはじまっている
と考える歯科医師は多くいます。

そしてその話を興味深く聞いてくださる各職種の方々に、敬意と共に確実な知識を共有しつづけたいと思いました。


秋の学校歯科健診のシーズンが終わりました。
校医の小学校から保育園、
地域の小学校での口腔衛生指導と合わせて
数百名のお子さんにお会いできたことを嬉しく思っています。

今回の歯科健診では、
口腔機能関連の健康保険適用範囲が拡大したことをふまえ、咬み合わせや歯列を詳しく診ました。

歯列咬合のチェックの考え方ですが、
歯科健康診断において「歯列・咬合」(専門医(歯科医師)による診断が必要)の結果通知の際に併せて伝える内容の例として、
公益社団法人日本学校歯科医会からの提案文章がありましたので以下に転載します。

歯科健康診断結果 歯列・咬合「2」についてのお知らせ

歯列・咬合とは、歯並びやかみ合わせのことです。

「食べ物を取り込み,食べる」機能,
「表情をつくり,話す」機能及び
「運動を支え,体のバランスをとる」機能等
に直接かかわっており,
食生活のみでなく生活の質全体に関係しております。

歯列・咬合の不正は、子供の成長発育段階により、噛む・話す・呼吸する・体のバランスをとるなどの発達に影響が見られる場合があり、学校での学習にも影響がでる場合があります。

学校歯科健康診断の結果に記載される歯列・咬合の不正は、主に「反対咬合」「上顎前突」「歯数異常」「開咬」などがあります。

〇 上下の前歯のかみ合わせが前後逆になる「反対咬合」、上の前歯が前方に出ている「上顎前突」は成長発育不全(上顎発育不全・下顎発育不全)を起こしやすくなります。また発育の状況により、歯周病やむし歯のみでなく、嚥下(飲み込み)の時に舌を突き出す癖や口呼吸に関連することもあります。

〇 本来生えてくるべき歯数と異なる「歯数異常」は、先天性欠損や埋伏歯、過剰歯がある場合が多く、手術による治療が必要な場合、その後に矯正処置が必要な場合もあります。

〇 かみ合わせたときに前歯に上下の隙間ができる「開咬」 の場合は発音(構音)に問題がおき、サ行やタ行が発音しにくいなどの障害が起こる場合があります。
原因が指しゃぶりなどの癖の場合、癖の中止や早い時点でくちびるの訓練を行うことにより、改善がみられる場合があります。重度の場合は、将来的に矯正治療の検討も必要です。

これらの症状については、お子様の発達段階や個々の症状の程度により、必要となる対応が異なります。

それぞれの状況について、学校の健康相談等で確認することでできますので、専門医を受診する前に必要に応じて学校と相談してください。

公益社団法人 日本学校歯科医会

これまで歯科矯正は
ある程度成長してから時間とお金をかけてするものという認識でいらっしゃった方も多いかと思います。

今の考え方は、
歯の整列だけでなく口腔及び顔面の機能と形態の健やかな発育と発達を幼少期からめざして育んでいくものと、知っていただけたら幸いです。