トーベとムーミン展を訪ねました。
日頃からムーミンの診療用ビブやうがいコップを使いながら北欧式予防歯科をお伝えしていて、instagramでもムーミンのことばを載せたりしています。
開催中の展覧会会場の近くに行く機会があったので立ち寄りました。

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画家をめざしていたトーベ・ヤンソン氏は、
戦後のフィンランドで時代の波に翻弄されつつも、ムーミンの原点となる”小さなトロールと大きな洪水”を出版しました。
多方面に才能を発揮し、絵画、小説、絵本、コミックスなど多くを手がけました。
今回の展覧会ではそれらの作品がたくさん展示されていました。
病院や保育園などの公共施設の壁画も手がけており、おなじみのムーミンと仲間たちが特大にいきいきと描かれていた様子もみることができました。

ムーミンの物語といえば
だれもがお互いを受け入れ、
心を通わそうとする様子が描写されています。
恐れと穏やかさの間を揺れ動く物語も、
冒険の最後はいつも居心地の良い安らぎの場所・ムーミン谷への幸せな帰還で締めくくられます。
ムーミンやしきのドアは安全な場所を求める人たちに、常に開かれています。

後期の作品になると、
孤独や自由への憧れといった
複雑な人間のテーマが扱われるようになっています。
物語には、さまざまな特徴を持つ
ユニークなキャラクターたちが登場します。
脇役たち・サブキャラクターたちに深い魅力があります。


また、
ムーミンシリーズには、
トーベ自身の人生や考えが反映されています。
誰かを思いやること、自然と共に生きること、自分らしくあること、未知の世界へ冒険に出ること、多様性あふれるムーミン谷の仲間たちは時代を超えてたくさんのことを教えてくれます。
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展示のラストには、
仲間たちによることばがプリントされたカードの中から好きなものを1枚持ち帰ることができます。

私が選んだカードは
「どんなことでも、
自分で見つけださなきゃいけないものよ。
そうして自分ひとりで、それを乗りこえるんだわ」
-トゥーティッキ

観覧できてよかったです。
日常生活の中で心が旅した
豊かな昼下がりとなりました。
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少し前からスウェーデン語の学習を始めました。
学生のとき以来の新しい言語との出会いは、
初めて英語と海外文化に出会った中学生の頃を思い出し、心を躍らせています。
言語を学ぶことは文化や価値観に出会うことで、その言語のある背景に対して理解が深まると言葉の習得にもつながるように思っています。
この秋スウェーデンに歯科研修に出向く予定があります。
英語でのコミュニケーションでよいのだとしても街にあふれることばとの出会いを大きなものにしたいと考えています。
学生の頃の自分と、歳をとっても変わらないのだなと思いました。
いつか原著でムーミンシリーズを読んでみたいです。